2024/10/31

製鉄|デスケーリングノズルを保護し、稼働率を最大化

製鉄|デスケーリングノズルを保護し、稼働率を最大化

1.製鉄の質を左右するデスケーリング

製鉄所の圧延設備では、材料を高温で熱し、柔らかくした状態で2本のロールの間に挟み、圧力をかけて延ばす「熱間圧延」が行われます。この時、高温で処理された鋼材の表面は空気中の酸素と反応して、酸化鉄(スケール)が形成されます。このスケールは鉄よりも硬いため、取り除かないまま圧延を続けると、鋼板に「スケール痕」と呼ばれる表面欠陥が生じ、研磨作業に支障をきたすなど、製品の品質を大きく損ねることになります。

ここで重要になるのが「デスケーリング」という工程です。デスケーリングでは、極限まで圧力を高めた水が、複数のノズルを通して連続的に鋼材表面に噴出されます。この強力な水圧によって、スケールが鋼板の表面から薄く削り取られるように除去されるのです。
スケールを物理的に剥がし取るこのプロセスは、製品の品質を保つために欠かせません。

2.デスケーリングノズルの詰まりが引き起こすリスク

デスケーリングは、単に水でスケール洗い流すのではなく、超高圧シャワーを使って、カミソリで削り取るような感覚でスケールを剥がします。この時、様々な原因からデスケーリングノズルが詰まってしまうと、水圧が非常に高いこともありノズル本体の破損や摩耗が起こったり、設計通りに水を噴射できなくなり、スケールの除去がうまくいかなくなるリスクが高まります。
このノズル詰まりの原因は、使用される水の質にあります。工業用水や河川から取水する際、元々含まれる汚れやゴミ、さらに配管内に蓄積した錆による金属スラッジがノズル内に堆積することで詰まりを引き起こすのです。そのため、水のろ過システムを整えることが不可欠なのです。

 

3.ボールフィルターのオートストレーナでノズルの詰まりを防ぐ

ボールフィルターのオートストレーナは、水に含まれる微細な汚れやゴミ、さらに配管内に蓄積した錆によるスラッジを確実に捕捉し、デスケーリングノズルの詰まりを防ぎます。これにより、ノズルを保護し、寿命を延ばします。
さらに、製鉄所の連続鋳造工程では、数ヶ月間、高炉を止めることなく鉄を溶かし続け、その間は絶えずデスケーリング作業が行われています。数ヶ月スパンで行われる定期メンテナンスまでの長期間、作業を中断することはできないため、止まることなく大量の水をろ過し続ける信頼性の高いフィルターシステムが不可欠になってきます。
その点、ボールフィルターのオートストレーナは、強力な逆洗技術の採用により、フィルターを常にクリーンな状態に保つため、日常的な清掃作業が不要です!ノーメンテナンスで安定した運転を維持することが可能になります。

【設置例】

 

4.ボールフィルターで連続鋳造工程の安定した運転を維持

ボールフィルターのオートストレーナを導入することで、デスケーリングノズルの詰まりを未然に防ぎ、作業の安定性が大幅に向上!デスケーリング作業に適した高水圧対応の運転環境が整い、ノーメンテナンスで連続鋳造工程におけるスムーズな運転を実現します。

⚫︎ボールフィルターを設置するメリット

  • 日常のメンテナンスが不要
  • デスケーリングノズルを保護し、製品の品質を維持
  • ノズルの詰まりを防止
  • ノズルの長寿命化

ボールフィルターのオートストレーナは、圧延加工におけるデスケーリング作業の安定稼働を支え、高水準の製品品質を維持します。また、メンテナンス負担の軽減やノズルの保護、長寿命化に寄与するため、製鉄所に最適な選択肢です。