オートストレーナお役立ち
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2024/11/29
循環水の品質維持で生産性向上!製鉄所向けオートストレーナの導入メリットとは
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1.水を9割回収利用することでコストを削減
製鉄所では、鉄鋼製品の製造過程で膨大な水が使用されます。高炉の約2,000度にも及ぶ高温の冷却、圧延機や鋼材の温度管理、鋼板の洗浄など、さまざまな工程で欠かせない存在です。製品1トンを製造するために必要な水量は、約150トンにのぼります。
中でも、鉄鋼業は回収水の利用が突出して多い産業です。特に製鉄所は、循環水利用率が約90%に達しており、他の製造業と比較しても非常に高い水準となっています。この水の循環利用を支え、コスト削減や排水量削減に貢献しているのが、ろ過装置をはじめとする高度な水処理技術です。
【産業別淡水水源別用水量の内訳及び産業別回収水の構成比】
(経済産業省 工業統計調査 工業用水 2007年より)
2.循環水の品質維持が生産効率を左右!
製鉄所で使用される水の中で最も多いのが冷却水です。使用過程でスケール(錆)や微細なゴミ、不純物が冷却システム内に蓄積すると、生産性低下や設備機器のトラブルにつながりかねない、深刻な問題を引き起こします!
・配管や熱交換器の詰まり
流れが悪くなると、冷却効率が大幅に低下します。結果、システム全体が「熱」を抱えたまま動きづらくなり、冷却のパフォーマンスが著しく損なわれます。
・腐食の進行
冷却水中の不純物が金属表面に付着すると、局所的な化学反応が発生しやすくなり、腐食を誘発します。この腐食が進むことで、配管や設備の耐久性が低下し、最悪の場合、想定外の破損や漏洩を引き起こす可能性があります。
・生産設備の停止、ダウンタイム発生
フィルターの詰まりが頻発すると、清掃や交換作業が欠かせなくなり、結果として高炉や圧延機などの重要設備が止まることになります。これが連鎖的に生産ライン全体に影響を及ぼし、深刻な損失を生むことになりかねません!
3.ストレーナ選びを間違えると大きなリスクに
製鉄所では、循環する冷却水の特性に合ったストレーナの選定が非常に重要です。冷却水には硬い鉄粉が混入しやすく、これがろ過システムに特有の課題を引き起こします。
特に掻き取り式ストレーナでは、ブラシが鉄粉を押し付けることでフィルター網が損傷しやすく、一度破損するとろ過性能が低下し、不純物が設備に侵入してさらなるトラブルを招く可能性があります。実際に、短期間でフィルター網が破れるケースも報告されています。
こうしたリスクを回避するためには、機器を傷めず、フィルターの汚れを自動で清掃しながら細かなゴミを確実に捕捉できる高性能なろ過システムの導入が必要です。
4.ボールフィルターのオートストレーナで効率的なろ過を実現
このような課題を解決するために推奨されるのが、オートストレーナの導入です。
特に開放型の冷却塔ではゴミが混入しやすいため、冷却塔の後にオートストレーナを設置するケースがあります。また、圧延機で使用した水を冷却塔に戻す前に濾過することで、冷却塔そのものを保護する効果も期待できます。
【ボールフィルターのオートストレーナ設置例】
オートストレーナの導入で得られるメリット
- 安定した濾過性能:設備の詰まりを防ぎ、冷却効率を長期間にわたり維持します。
- 保守作業の削減:自動洗浄機能により、頻繁なフィルタ清掃や交換が不要になり、メンテナンスの負担を軽減します。
- 生産効率の向上:ダウンタイムを最小限に抑え、生産設備の稼働率を向上させます。
製鉄所のように大量の水を使用する現場では、オートストレーナのような高度なろ過システムが運用効率の大幅な改善に寄与します。ボールフィルターの導入は、水資源の有効活用を促進するだけでなく、設備の保全や環境負荷の低減にも繋がります。製鉄所で直面する水に関するさまざまな課題を解決するための最適解と言えるでしょう。