2022/04/20

【徹底比較】世の中にあるオートストレーナを分類して比較してみた

【徹底比較】世の中にあるオートストレーナを分類して比較してみた

1. ストレーナとは

世の中には数多くのストレーナがあります。
平たくいえばストレーナとは、流体の中から固体を取り除くものを指し、ざるやキッチンシンクの排水口のようなものを指します。

画像1 排水口ストレーナ

2. オートストレーナとは

ストレーナでは固体を取り除くことはできますが、溜まったゴミを手動で取り除く必要があります。
一方のオートストレーナは、溜まったゴミを自動で除去することができるものを指します。

画像2 汚れが付着し洗浄が必要なストレーナ

3. どんな種類があるの?

オートストレーナといっても様々な種類があります。代表的なオートストレーナは以下の通りです。

  • ブラシ・スクレーパーかき取り式
  • ノズル吸引式
  • サイクロン式
  • 圧力差を利用した逆流洗浄式

4. オートストレーナのメリット・デメリットとは?

それぞれに長所、短所があります。

表1 左からブラシ・スクレーパーかき取り式、ノズル吸引式、サイクロン式、圧力差を利用した逆流洗浄式の画像

ブラシ・スクレーパーかき取り式

ブラシ・スクレーパーかき取り式は、エレメント表面のゴミをブラシでかきとるタイプのオートストレーナです。ブラシ・スクレーパーでかきとる方式のため、比較的粗く固いゴミの除去には適したオートストレーナです。一見一番効果がありそうですが、細かく柔らかいゴミなどの除去は苦手な側面もあります。ブラシ・スクレーパーは柔らかいゴミをストレーナに押し込んでしまうことがあり、本来侵入してはいけないクリーンサイド(ろ過した後のエリア)にゴミが押し込まれ、また開口部を塞ぎ目詰まりを起こす恐れがあります。

図3 ブラシ・スクレーパー

ノズル式

ノズル式はエレメント表面のゴミをノズルで吸い込むオートストレーナです。この方式の利点は、エレメント表面とノズルの距離が適切であれば吸引力が高いということです。しかしその一方で、機構が複雑でメンテナンスや維持に気をくばる必要があります。またゴミをキャッチするストレーナ本体が横長形状のため、同一の流量で比較すると他のオートストレーナに比べて設置スペースが大きくなる傾向があります。

図4 ノズル式

サイクロン式

サイクロン式は遠心力を利用する網目がないタイプです。内部を流れる際に遠心力が働きます。遠心力により重いものほど外側に集まる特性を利用し、流体(水)と固形物の重さ(比重)の違いを利用して分離します。そもそも網がないので目詰まりが起きないのがメリットです。一方で、比重差が小さいと分離しきれず、網もないので そのままゴミが後流へ流れていく可能性があります。

図5 サイクロン式

圧力差を利用した逆流洗浄式

圧力差を利用した逆流洗浄式は上記のどれとも違う方式で、圧力差を利用してゴミを除去する方式です。どことどこの圧力差かというと、オートストレーナ出口と、逆流洗浄ライン(ゴミを流すライン)との圧力差になります。通常オートストレーナを使う場合、前段にポンプがあり圧がかかるような状態で運転されます。そのため、オートストレーナ出口にも圧がかかります。一方で逆流洗浄ラインは大気開放になるため圧がありません(正確には大気圧はかかります。しかし、いずれにせよオートストレーナ出口よりは低くなります。)。
圧の高いオートストレーナ出口から、圧の低い逆流洗浄ライン水があるとどうなるか。水は圧の高いところから低いところへ自然と流れようとします。この流れを利用するのが圧力差を利用した逆流洗浄式です。

図6 圧力差を利用した逆流洗浄式

圧力差を利用した逆流洗浄式は圧力差でエレメント表面を洗う構造のため、例えばブラシ式に比べると逆流洗浄時の摩耗、消耗が少なく、寿命の点からも優れているといえます。一方で弱点もあります。この方式のエレメントは上側が閉じた形(閉止)のものが多く、エレメント上部は水の流れを得にくいという点です。水の流れが弱いと正しく洗浄がしづらくなります。圧力差を利用した逆流洗浄式の場合、水の流れが弱いと、1本の長さを短くするか、ろ過精度を粗くする(水の流れが弱くても洗える)必要があります。

図7 逆流洗浄能力を示す検証結果

上端が閉止したエレメントでは、逆流洗浄能力の高いエリア(赤色)がエレメント下部付近にしかないことが分かります。

ボールフィルターではこの弱点を克服した圧力差を利用した逆流洗浄式を採用しています。その為、キャンドル上部もしっかり洗浄でき、細かなろ過精度にも対応できます。その秘密はキャンドルエレメント(濾材)上端にあります。実はボールフィルターのキャンドルエレメントは上側が開いた構造になっており、これがミソになっています。「なんだそれだけか」という声が聞こえてきそうですが、エレメントの上があいていることで、逆流洗浄の際に、上から勢いのある水を流すことができ、上から下までキャンドルエレメントをしっかりと洗うことができます。その結果、細かい濾過精度にも対応できるオートストレーナになります。

図8 上から下まで逆流洗浄できる仕組みを有したボールフィルター


図9 逆流洗浄能力を示す検証結果.赤い色が示すように、エレメント上部も高い逆流洗浄力を有しています。

5. 後記

かなり簡潔にメリット・デメリットをご説明しましたが、凡そは掴んでいただけたと思います。
ただ総じて言えることは、ほぼ『完全清掃不要』を実現できるのは、
僭越ですが、「圧力差を利用した逆流洗浄式」、つまり我がボールフィルターのオートストレーナなのです。
『完全清掃不要』99.5%以上の実績がそれを物語ります。(弊社実績)
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