2025/04/16

全国スキー場人気ランキング第1位 !「グランスノー奥伊吹」 草野社長に聞く 雪づくりにボールフィルターが欠かせない理由

全国スキー場人気ランキング第1位 !「グランスノー奥伊吹」 草野社長に聞く 雪づくりにボールフィルターが欠かせない理由

1.雪量世界一のグランスノー奥伊吹、人工降雪機の全貌とボールフィルターの役割

「全国スキー場人気ランキング1位」や「積雪量世界一」として知られる、滋賀県のグランスノー奥伊吹。2023-24シーズンでは、累計で25万人強のスキーヤー・スノーボーダーを集めました。2024-25シーズンに向けて、人工造雪機全8基、人工降雪機全37基を備え、過去最速となる11月中のオープンを目指すなど、今最も注目を集めるスキー場です。奥伊吹スキー場では、2012年にボールフィルターのオートストレーナを導入。日本トップクラスの来場者数を誇るスキー場の雪づくりをボールフィルターがどのように支えているのか、今回はグランスノー奥伊吹の草野社長にお話を伺いました。(2024年9月)
※「ウェザーニュース」の全国スキー場人気ランキング2020-21調べ

グランスノー奥伊吹 草野丈太(くさのじょうた)社長

 

2.安定した運営を目指して降雪機を導入

「生まれた時から家業がスキー場運営でした。毎年雪の降り方には大きな差があって、多い年には驚くほど降るんですけど、逆に全く降らない年もあります。30数年前は、ラニーニャやエルニーニョという言葉もまだあまり知られておらず、毎年の雪の量はまさに『神のみぞ知る』状態でした。しかし、業績を振り返ってみると、ラニーニャの年は比較的雪が多く、エルニーニョの年には雪が少ない傾向にありました。それに伴って来場者数や売上も変動します。これを平準化しないと安定した企業運営は難しいとー感じ、降雪機を導入し、雪の少ない年の対策を講じることにしました」

 


3.川の水質問題を克服したボールフィルター

「人工降雪機を初めてデモ機で導入したのは、2007年のことです。試験運転を始めたところ、予想以上に川の水の質が悪く、砂粒除去が必要でした。当初は布や金網のフィルターを試しましたが根本的な解決にいたらず、つきっきりでメンテナンスが必要でした。2012年頃に、代理店のスノーシステムズさんより自動でフィルターを洗浄する日常のメンテナンス不要ストレーナがあると聞いて、長野県のスキー場で導入されたボールフィルターのオートストレーナを見学しました。奥伊吹の川の水質は見学先より悪かったために不安はありましたが、何度も打ち合わせを重ねて導入を決断。それから約10年、順調に稼働しており、結果は大成功でした」

アメリカ・SMI社製の人工降雪機

 

4.降雪量5倍増加!手動からボールフィルター導入への移行でろ過量は6倍に。

「手動のストレーナを使用していた時は、毎分約1000ℓの雪しか作れていませんでした。現在は設備が強化され、一度に約6000ℓの水を送ることが可能になり、約5倍の雪が作れるようになりました。ただし、その分、除去しなければならない砂粒の量も増えています。今振り返ると、約6000ℓのろ過を手動のストレーナで行うことは難しかったでしょう。ボールフィルターだからこそ実現できたのだと思います」

現在、2つのポンプ室にそれぞれ1台ずつオートストレーナが装備されています。

 

5.スタッフ不足の時代を乗り切る、スキー場の降雪自動化

「最初の降雪機導入時から、ポンプの運転やフィルターの洗浄、降雪機を操作まで、夕方4時半くらいから、朝7時までほぼ一人で雪作りをしています。現在、人工造雪機全8基、人工降雪機全29基と設備は増えましたが、降雪機が温度を感知し、水を噴射する全自動化システムと、泥や砂粒を自動的に除去してくれるボールフィルターの働きにより、ほぼワンオペ対応が可能になっています。
日本のスキー場はどこも営業期間が3ヶ月ほどで、スタッフを集めるのが非常に難しくなっています。かつては林業や農業の閑散期に働く人が多かったのですが、そうした人々も減少しています。これから日本中のスキー場が自動化へと進むのは、避けられない流れであり、降雪の自動化とオートストレーナは、これからの人材確保に悩む苦しむスキー場にとっては、すごく必要なものだろうと思います」

 

6.機械の安定稼働がスキー場の集客を支える

「奥伊吹の場合伊吹は都市近郊スキー場であり、安定してスキー場を開けることで集客に繋げる自信があります。そのためには降雪機は必要不可欠です。ただし、降雪機は気温が低ければ多くの雪を作れますが、気温が高く雪が作れない年もあります。温暖化の影響もあり、雪が降らない年が続くこともあるため、その対策として造雪機を装備。降雪機同様、造雪機にもボールフィルターのオーストレーナを使用しています。
全国のスキー場では、それぞれ異なる条件があるため、降雪設備の必要性も異なりますが、グランスノー奥伊吹では、降雪設備を拡張していく際には、必ずボールフィルターも合わせて増設したいと考えています」

イタリア・テクノアルピン社の人工造雪設機

 

グランスノー奥伊吹
公式サイト:https://www.okuibuki.co.jp/
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